9/11メモリアルは同時多発テロにより崩壊したワールド・トレード・センター跡地「グランドゼロ」にテロの犠牲者を追悼し、再生への希望の場所として作られた緑豊かな公園です。
周辺のメモリアルスポットや新NYも合わせて、ニューヨークでぜひ訪れてほしい場所です。
この記事では、9/11メモリアルと周辺の見どころを紹介します。
9/11メモリアルの行き方
地下鉄でのアクセスが便利で、メモリアルプラザへの入場は無料です。
近くにはいくつかの地下鉄の駅があります。
Fulton Street駅(A,C,J,Z,2,3,4,5線)
Cortland Street駅(R線)
World Trade Center駅(E線)
ワン・ワールド・トレード・センター
One World Trade Center
285 Fulton St, New York
地下鉄の駅を降り地上に出ると、まず初めに目に入ってくるビル。
2014年に完成したアメリカ最大のビルで、高さがアメリカが独立した年と同じく1776フィート(約541m)あり、NYのランドマークとなっています。
100~102階には「ワンワールド展望台」があり、101階にはカフェやバー、高級レストランがあります。
9/11メモリアル・プラザ
テロ攻撃から10年目にあたる2011年9月11日にオープンしました。
広さはおよそ2万4千mあり、400本の木が植えられています。
厳粛な場所ですが、緑豊かな公園はニューヨーカーや観光客のオアシス的な公園となっています。
サバイバーツリー(生還の木)
ツインタワーの瓦礫の下で瀕死の状態で発見された木です。
その後、別の場所で育てられ戻ってきました。
当時2メートルほどでしたが今では10メートルを超え、逞しく成長した姿は希望の象徴として立っています。
ノースプールとサウスプール
ツインタワーが建っていた同じ場所に、それぞれ約1エーカー(63mの正方形)の巨大なメモリアルプールが作られました。
プールの縁には1993年2月26日のワールド・トレード・センター地下駐車場爆破テロの犠牲者6人と2001年9月11日の同時多発テロの犠牲者2977人の全ての方の名前が刻まれています。
プールの周辺には、祈りをささげる人々が訪れています。
ボランティア団体の方により、犠牲者の誕生日にはバラの花が飾られています。
マイカル・ジャッジ牧師の名も刻まれています
同時多発テロの最初の犠牲者となったFDNYのチャプレン、マイカル・ジャッジ神父
追突の知らせを受け、すぐにヘルメットをかぶり消防士と現場へ駆けつけ祈りを捧げていたが、落下物に巻き込まれて亡くなりました。
消防士らが倒れている神父を見つけそばにいた人達が安全な場所へ運んでいる写真が衝撃的でした。
サウス・プールのS-18パネルに他のファーストレスポンダーの方々と共に、名前「Mychal・F ・Judge」が刻まれています。
依存症や貧しい人々を支援し、LGBTQの人々やエイズ患者の差別に立ち向かった神父はみんなに愛されていました。
「マイカル・ジャッジ神父記念ウォーク」が毎年911の前の日曜日に行われています。
E 31 Stの聖フランシス教会のミサから始まり、グランドゼロまで祈りと共に歩きます。
ワールド・トレード・センター駅「オキュラス」
The Oculus
Church St
メモリアルプールのむこうには、ミュージアムやオキュラスがあります。
オキュラスは2016年に完成したワールド・トレード・センター駅。
建築家サンティアゴ・カラトラバ氏によって設計された建物は美しすぎる駅と注目のスポットで、地下鉄の駅やニュージャージーへ行くPATHトレインを結ぶハブ駅です。
構内も白く美しく専門店やショッピングモール「Westfield」も併設しています。
白で統一された地下道が伸びており、近くの高級ショッピングモール「ブルックフィールド・プレイス」まで繋がっています。
ブルックフィールド・プレイス
旧ワールドフィナンシャルセンターは9/11の時、大きなダメージをうけましたが翌年リオープン。
新しいお店が増えて2014年ブルックフィールド・プレイスと改名されました。
ショッピングの他、フードコートからはハドソン川を眺めながら食事を楽しめます。
食後は外に出て、ヨットハーバーを見ながらハドソン川沿いを散歩するのもおススメです。
国立と民間の2つのミュージアム
国立9/11記念館と博物館
National September 11 Memorial & Museum
180 Greenwich St
2014年にミュージアムが完成しました。
地下に作られ、テロ攻撃に焦点を当てて一機目の衝突から順番に展示しています。
犠牲者の写真や遺品、倒壊したビルの最後まで残っていた鉄骨、生存者の階段(Survivor's Stairs)と呼ばれる階段や、ビルの崩壊の犠牲となった消防車などが展示されています。
民間の911トリビュートミュージアム(旧911トリビュートセンター)
9/11 Tribute Museum
92 Greenwich St
犠牲となった消防士さんの遺族や未亡人などからなる、民間の組織により作られました。
テロの犠牲者や救急、がれきの撤去に関わった方々に関するものを展示されています。
私も2回参加した、ウォーキングツアーはおススメです。
911を経験した生存者・ボランティアの方々によるウォーキングツアー。(英語です)
1度目は消防士の奥様
2度目は近所に住むニューヨーカーの男性がガイドをしてくれました。
ミュージアム前に集合し、ポイントごとに立ち止まりながら当日の朝の日常からテロの瞬間、その後のボランティア活動や復興の様子がリアルに聞けます。
あわせて訪れたい、近くのメモリアルスポット
セント・ポール教会
St. Paul Chapel
209 Broadway
9/11の際、飛んできた残骸は敷地内の木に当たり、教会は窓が割れることなく奇跡的に無事で逃げ惑う人々の避難所となりました。
その後8カ月間、復興作業員や何百人ものボランティアの方たちの休憩所として食事や寝床の提供やカウンセリング、礼拝などを行いました。
トリニティ教会の一員として、コンサートやホームレス保護所などの奉仕活動を行っています。
NY最古のトリニティ教会
Trinity Church
89 Broadway
ニューヨークで最も古い教会。
1696年に建造し、現在の教会は1864年に建てられ国の歴史建造物に指定されています。
教会は無料で自由に見学ができ、祭壇上部にあるステンドグラスは必見です。
同時多発テロの際、多くの人々が大量のがれきや粉塵から逃れてこの教会の中に避難しました。
教会内には当時の品なども展示されています。
FDNY 10ハウスとメモリアルの壁
FDNY TEN HOUSE
124 Liberty St
9/11メモリアルの向かいにある消防署は同時多発テロの時、建物が落ちてきてほぼ壊滅され5人のメンバーが犠牲となりました。
消防署としては使用できなくなりましたが一部は休憩や復興の場所として使用されました。
2003年11月5日に新しくテンハウスが再建されました。
FDNY MEMORIAL WALL
141 Greenwich St
消防署の横の壁に2006年6月に建てられた「メモリアルウォール」
9/11で命を落とした343人のFDNYの消防士とボランティア消防士1名に捧げられています。
生還した消防士の多くも心や体にキズを負い、911に関したがんなどで亡くなる方は今も増え続けています。
最後に
10年目の2011年9月11日は、この場所に居たくてニューヨークに行きました。
当日はオバマ大統領が式典に来て一般公開されず、数ブロック先から見ていたのを昨日のことのように覚えています。
ニューヨークは災害や困難な時の団結力・復興力は強く、日常が戻り新しい施設や公園もオープンしています。
911メモリアルの見どころなどを紹介しました。
読んでくださり、ありがとうございました。